熱帯魚水槽は魚を飼育するだけではなく、水草などを入れてレイアウトするとより鑑賞が楽しくなります。
しかし、水草にはデメリットもあり、大幅なレイアウトを水草だけで組むとトリミングや低床のメンテナンスなどが非常に手間がかかってきます。
そこでこの手間を軽減させつつも、美しいレイアウトの水草水槽を作ることができるのが流木と、流木に活着する水草となってくるでしょう。
流木で水槽をレイアウト
流木は置くだけでいいので、熱帯魚水槽の最も簡単なレイアウト方法のひとつです。
流木が1つあるだけで水槽の雰囲気がガラッと変わりますし、熱帯魚の隠れ家ともなります。流木を複数を置いてもいいですし、色々な形の流木を楽しむのもいいでしょう。
しかもその流木に水草を活着させることもできるのですから、低床に水草を植えてトリミングしてといったことよりも、水槽のメンテナンスがしやすいことは明らかです。
いきなり水草の活着というとハードルは高く感じるかもしれませんが、水草の活着は初心者さんにもおすすめの簡単な方法です。
水草の活着

水草の活着とは、水草を流木に釣り糸や木綿糸などで括り付けて、根が這ってくっつくことを言います。
根が這ってしまえば、釣り糸をほどいても水草は流木にしっかりとくっついているので、あとはその水草をトリミングするだけの手入れとなります。
釣り糸は溶けないのでしっかり活着したらほどいてください。木綿糸は溶けるのでそのうち自然になくなります。
水草の根付いた低床の掃除をすることは大変ですが、水草が流木に根付いているなら簡単に取り出せますし、トリミングも全体メンテナンスも比較的簡単に行えます。
そしてなんといっても、水草が木に生えているような状態を演出できて、水槽としての美しさが立体的になるんですね。
活着させる水草としては、アヌビアスナナやウィローモスやミクロソリウムが一般的で、熱帯魚水槽初心者さんにもおすすめです。個人的にはウィローモスが簡単でかっこよく、量も増えやすいので特におすすめしたい水草です。
流木のデメリット
流木には簡単にレイアウトを変えられて、水草も活着させられるメリットは多いです。
取り出しも可能で、水草や低床のメンテナンスも比較的簡単ですが、その流木が大きすぎる場合は取り出しにくいデメリットにもなります。(と言っても水槽をリセットしたり、水草を底からメンテナンスするよりはよほど手間がかからないのですが)
あとは流木のアクや、pHを下げる効果によって、水質が思わぬ方向に行くこともあるので注意してください。
まあアク抜きをしておけば基本的に問題ないですし、弱酸性を好む熱帯魚の場合はむしろpH下げは好ましいことでもあります。これも状況や管理次第ということになりますね。
拾ってきた流木は使っていい?
流木は探せば山や川や海などに落ちていることでしょう。拾ってきた流木を使うのは確かに安上がりなのですが、基本的にはあまりおすすめできません。
その理由として、落ちている流木にはどんな寄生虫や菌や有害物質が付着しているかわかりません。
水槽という小さな生態系にこれを持ち込むことは熱帯魚だけではなく、ろ過機まで含めた水槽全体の命取りにもなってしまうことがあります。最悪リセットするしかなくなることすらあるぐらいです。
ただ、絶対にダメというわけではなく、鍋で煮ての煮沸消毒や、アク抜き剤によるアク抜き、長時間の水への漬け込みなどによって無害化することもできます。
あとは、市販の流木は基本的に水に沈みますが、採取した流木は沈まずに浮いてしまって使いものにならないこともあるでしょう。(オークションでの個人からの購入も自分で採取するのと変わらないと思った方がいいです。)
流木が浮く!沈めるには?
流木が浮いてしまうという方も多いかもしれませんね。これはシンプルに流木が水よりも軽い状態だからです。
煮沸して水が冷める過程で木は水を吸うので、流木自体が軽い場合は煮沸して水を吸わせて重くしてましょう。
流木の内部に空洞があって、そこに空気が入っている場合も軽いです。この場合はドリルなどで穴を開けるのがいいのですが手間がかかりすぎてしまうかもしれませんね。
一番簡単なのは、流木に重りを付けることです。しっかりと水草用の重りも売っていますし、石などを括り付けて代用するのもいいでしょう。
底砂に流木の一部を埋める方法もありますが、何かの拍子で外れて浮き上がってしまうことも多いので、しっかりと重りを付けるのがおすすめです。
一番簡単なのはしっかりとした流木を購入することなんですけどね。自分で拾ってきた流木を使用するのはこういったリスクがあるのも知っておいて損はないでしょう。
最後に
熱帯魚水槽において、流木は簡単にレイアウトできて、水草も上手に使用することのできるおすすめアイテムです。
高さも簡単に演出できますし、水草水槽には欠かせないと言ってもいいぐらいでしょう。
市販されているものでもいいですし、ネット通販では色々な形のものも選ぶことができるので、色々と見てお好みの形の流木を探してみるのもおすすめです。