原因不明の耳管開放症に悩まされている方も多いことでしょう。
耳鳴りをはじめとした耳の不調というのは原因がわからないことも多く、効果的な治療方法の確立も難しいのが現状でもあります。
耳管開放症の原因もストレス面や耳管の弱さなど様々ですが、初期症状などと合わせて見ていきましょう。原因がわかることによって治療法に繋がるかもしれません。
目次
耳管開放症とは?

耳管開放症とは、その名の通りに耳管が開放してしまうことです。
耳管というのは普段は閉じていて、気圧の変化時などに開いて圧調整をしてくれるのですが、これが開きっぱなしになると様々な不快な症状となって現れます。
近年で耳管開放症が増えてきている傾向もあり、これはストレス社会で生活習慣が乱れていることに繋がっているとも考えられています。
耳管開放症の原因
耳管開放症のはっきりとした原因はわかっていませんが、ストレス、自律神経失調症、顎関節症、中耳炎、ダイエット、妊娠、運動など多岐に渡ります。
ストレスが病気に繋がってしまうのは当然ですし、ストレスが起因となる自律神経失調症も耳管開放症に原因となってしまうことでしょう。
顎関節症が耳周りの症状を引き起こすことも珍しくありません。
中耳や耳管の炎症が開放症になってしまうこともあります。
また、ダイエットで耳管周辺の脂肪が減少することで、耳管を閉じるための動作がしなやかにできなくなるため、無理なダイエットも開放症の原因のひとつともなってしまいます。
妊娠によっても耳管開放症となってしまうことがありますが、これはホルモンバランスによる一過性のことが多く、出産時には軽快します。
運動中は耳管が開きやすくなるために、持続性の運動をしていると耳管開放症の症状が現れます。これは人によって度合いがかなり違うようですね。
⇒耳の原因不明の病気は自律神経失調症かもしれない
耳管開放症の初期症状

耳管開放症の初期症状は耳の閉塞感です。
そして、自分の呼吸や声が響いて聞こえる自声強聴が起こると非常に辛く、耳鼻科を受診される方も多いことでしょう。
しかし、耳管の開放症状があるときではないと、鼓膜の動きが確認できず診断がつかないこともあります。
重症になって、常に耳管開放症状が出ているようになってから診断ができるということも少なくありません。
耳管開放症の治療

耳管開放症の治療は、中~重症の場合には外科的措置が取られます。
鼓膜に薄いパッチを貼付、生理食塩水の点鼻、耳管粘膜を薬剤で刺激、カテーテルを通す耳管通気療法などが代表的な治療です。
初期の軽症状であれば、自然治癒を促す経過観察となる場合が多いです。
経過観察でもなにもしないわけではなく、生活習慣を改善したり、漢方を用いるなどの意識的な対処を行うこともおすすめします。
⇒耳鳴りや音の不調におすすめの漢方薬とサプリ
特に、加味帰脾湯(かみきひとう)は耳管開放症に用いられる漢方薬で、症状の軽い方はこれだけで軽快することも多いようですね。
耳管開放症の症状を和らげる
耳管開放症の症状は人には伝わりにくいですし、特段の痛みがあるわけでもないのですが、日常生活に支障をきたすほど辛いもので、症状を和らげたい面も大きいでしょう。
耳管開放症の代表的な軽快法は下を向くこと横になることですが、鼻をすするのはNG行為です。
鼻をすすると、鼓膜に負担がかかりますし、鼓膜のくぼみとなってしまうこともあります。また、鼻水に含まれるウイルスや細菌から炎症を起こしやすくなり、中耳炎を引き起こす可能性もあるので注意してください。
下を向いたり横になると頭部の血圧が上がるので、耳管は閉まる構造になっています。これは楽になるはずなので、一時的な対処法として使うのもいいでしょう。
また、水分を取ったり血行を促進させるのも効果的なので、意識して水分を取ったり、耳周りをマッサージをするのもおすすめです。
耳管開放症の症状を軽減させることでストレスも軽減されるので、ストレスが病気を呼ぶという悪循環も断ち切っていきましょう。
まとめ
耳管開放症はなかなかわかってもらえませんが、自声強聴や呼吸音の響きなど、症状が日常生活について回るので非常に辛いものです。
原因の特定が難しいですし、すぐに症状を改善するのが難しい場合も多いですが、体質改善やストレス軽減を意識して耳管開放症を改善していきましょう。