週刊ヤングマガジンで連載中の終わった漫画家が地味に面白いです。
地味にと言っては失礼かもしれませんが、安定していて平和的な面白さなので、なんだか和むんですね。
福満しげゆきさんの前作「中2の男子と第6感」も同じようなタイプだったので、個人的に今作「終わった漫画家」も地味に(誉め言葉です)期待してしまいます。
目次
終わった漫画家あらすじと設定(ネタバレあり)

終わった漫画家の基本設定は、文字通りに「全盛期が終わった漫画家さん」の葛藤や欲望を描いた物語です。
まあ、全盛期と言ってもそこそこ程度で、欲望と言っても結婚したいというような常識の枠内です。
基本的には、その「結婚したい」というのが行動理念で、このためにアシスタントを募集して、そのままアシスタントと結婚してしまおうというのが序盤の流れです。
で、この応募してきたアシスタントが2人いて、A子さんが近所の100円ショップのお姉さん、B子ちゃんが漫画化を目指す女子高生で、この関係の中でなんだかんだがあるわけです。
なんだかんだの面白さ
最初に地味に面白いと書きましたが、これは展開が派手ではないからであって、内容はしっかりと面白いです。なんだかんだで。
応募してきたA子さんは美人だけど太っていた過去があり、そろそろ玉の輿にでも乗って結婚したいという願望を持ち、妥協の末に漫画家との結婚を目指し、アシスタントになるという不純な動機です。
アシスタントと結婚したいために募集した漫画家、漫画家と結婚したいために応募してきたアシスタント、このがっちりと組みわさったパズルが魅力なわけですね。
そこに、お互いが思惑を怪しまれないように、探り探りで接していくというのが面白さなわけです。
ま、ご都合主義なんですけどね。話の展開が早いのが魅力のひとつでもありますし、どうくっつくんだという予定調和を見守れる安心感です。
ただ、そこには女子高生アシスタントのB子ちゃんが邪魔者になっていて、ひとつのスパイスになっているんですね。
・ヤングマガジン最新号と漫画感想
中2の男子と第6感
私が終わった漫画家を楽しめているのは、福満さんの前作「中2の男子と第6感」が綺麗に完結したことが関係しています。
「中2の男子と第6感」は、いじめられっ子の中2男子が武に目覚めて、なんだかんだで街の平和を守りつつの、彼女までもができたりするわけですが、この中2男子の一生を老後までしっかり描いてくれたんですね。
最後は駆け足でしたが、なんだか感動すらあり、物凄い長編を読んでいた気分にもなれるほどでした。
巻数としては4巻なんですけどね。サラリと読める割に、中身の詰まった作品なのでおすすめです。ご興味があればぜひ一読を。(序盤は少し停滞感で、後半に加速していくので特に4巻がおすすめです)
最新刊発売日
終わった漫画家の単行本最新刊発売日はまだ未定です。
中2の男子と第6感は、2014年24号(2014年5月12日発売)連載開始で、単行本第1巻が2015年4月6日発売だったので、終わった漫画家1巻は早くて2017年末ぐらいの発売になるかもしれませんね。
・【ヤンマガ】ヤングマガジン漫画単行本の最新刊発売日一覧
最後に
ヤンマガで連載中の終わった漫画家について書いてみました。
バクマンを初めとして、漫画家を描く漫画というのは意外に多くなってきたイメージですが、漫画家でしかわからないこともある世界を掘り下げてくれるので個人的には好きなジャンルです。
中2の男子と第6感のように、子供ができて老後まで描いてくれると、また一感動貰えるのかなと期待をしてしまいます。